第48話:ひとりの男が「社会人1年目、ポルシェを買う。」のせいで、ポルシェを買った。1

41pt   2017-03-19 19:00
オートカー・デジタル - AUTOCAR DIGITAL

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Mくんから初めてメールがきたのは
秋がぐっと近づいた去年の涼しい夜のことだった。

彼は僕と同い年ということを書いたうえで
「ポルシェが大大大好きという共通点から、
親近感をもって『シャカイチ』を読んでいます」
書いてくれていた。うれしかった。

日ごろからこういったあたたかいメールを
たくさんいただいているのだけど
なかでも彼のメールが目を引いたのは
「ポルシェなんて20代で
 夢じゃないかと思っていました」
という2行の文だった。

そしてそのあとに
「上野さんの記事を読むことで
 乗りたい! という強い熱意があれば
 20代のわれわれでも(なんとか)
 叶うということがわかり、奮い立たされ、
 この度、はじめてのポルシェを
 手にすることとなりました」
と書いてあった。

最後に
「シャカイチがなければ、
 20代のわたしは
 ポルシェを手にすることが
 なかったでしょう」と綴ってあった。

僕は「とんでもないことをした」
という罪悪感におちいった。
だってクルマ1台買うことって
とてもたいへんなことだし、
それを維持するなんて……もうね。

一晩ざわついた心とともに過ごし、
何はともあれお祝いのメールをしてみた。

「そしてポルシェのご購入、
 心からお祝いもうしあげます。
 おめでとうございます」

あとは何を書こう……。
あ、そうだ!

「ところで、どんなポルシェを
 購入されたんですか?」

なんとなくだけれど、
ほどよい値段になったボクスター(987)とか
勝手な仲間意識で911(996など)を
想像しながらメールを送った。

新車なんて買うはずないだろう、
というのが正直な気もち。
 
 
 
ところが、新車であった。

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Mくんは、
自分の足でディーラーにおもむき
ピシッとしたディーラーマンと
まっさらの新車をコーディネートした。
これから半年間の納車待ちするということだった。

「これから、納車まで
 あと半年、つまり180回くらい
 眠らなければなりません」

と書いてあった。

おそれいった。

で、なんのクルマを買ったのか。
それは彼からのメールを見ていただくのが
いちばんよいでしょう。

メール掲載を承諾してくれるかを
ただいま確認中です。

少々お待ちくださいませ。

※今回も最後までご覧になってくださり、
 ありがとうございます。
 
 このメールがきたときは、
 さすがにドキドキしました。

 なんだか悪いことしたかもしれない
 という意味のドキドキです。

 今後とも、inquiry@autocar-japan.com まで、
 皆さまの声をお聞かせください。
 もちろん、なんでもないメールだって
 お待ちしております。

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